白鳥は水面をスーっと何気なく泳いでいます。
でも、その水面下では、足をバタバタさせて漕いでいます。
労務も同じで、傍から見ると何にも無いように見えても、それは普段から労働トラブルの種や芽を摘んでいるからで、決して労働トラブルが大きくならないようにしているからです。
いま労働トラブルは多様化しています。
法律への対処の不備から来るもの、従業員の意見の吸い上げがうまくいっていないコミュニケーション不足。
そのような労働トラブルの芽を早期に発見し対処することが労務管理の核心だと思います。
労務管理は詰まるところ従業員に納得してもらうことです。
労働条件、給与、待遇、福利厚生など、納得してもらえば問題は起きません。
納得してもらうためには説明が重要となります。
会社の考えや状況などを丁寧に説明し、質問や不明点に答えることで納得してもらえます。
逆に、説明不足のまま労働条件を変更したりルールを決めてしまうと従業員は不満や不信感を持ちます。
すると労働トラブルが起きます。
そのトラブルを放っておいたり、強引に対処すると大きな労働トラブルに発展します。
悪循環ですね。
何かをするときにはしっかりと説明をし、疑問点や不安に対して答えて従業員に納得してもらうことが円滑な労務管理の根幹となります。
些細と思われるトラブルも、放っておくと大きな労働トラブルに発展したり、社内風土になってしまいます。
例えば、一人がだらしなく毎日のように遅刻をしている場合、それを会社側が是正を求めたり、咎めることをしないと、それがほかの社員にも蔓延していきます。
そのようなことが社内風土となり、人数が多ければ多いほど修正が難しくなるでしょう。
早めの対処が肝心です。
労働トラブルは大きくなればなるほど対応が限定されていきます。
逆に早い段階であれば、いろいろな対応ができますので、こじれることも少なくなります。
例えば解雇の場合など、解雇宣告をしてからだと、相手も感情的になり、かなり対処が難しくなります。
労働トラブルの対処は病気の治療に似ています。
早期発見をし、早期に治療ができれば、命にかかわることもありません。